豆乳とは
大豆を水に浸して水と一緒にすりつぶ沸騰させ搾り、おからを取り除いた乳状の液体です。
JASでは、豆乳とは『大豆から熱水を与えたんぱく質その他の成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料(「大豆豆乳液」と言う)であって、大豆固形分が8%以上のもの』と定義されています。
豆乳の種類と栄養素
豆乳は、「無調整豆乳」「調整豆乳」「豆乳飲料」の3種類に分けられています。
※農林水産省 豆乳類の日本農林規格より参照(最終確認 平成24年7月17日)
豆乳(無調整豆乳)
水に浸した大豆をすり潰して絞り、おからを取り除いたものです。
豆乳本来の味や大豆の栄養素をしっかり摂りたい人向け。豆腐や湯葉など様々な調理をする場合などに適しています。
大豆固形分が8%以上(大豆たんぱく質換算3.5%以上)であることを規格としています。
▶おもな栄養成分
エネルギー | 43kcal |
水分 | 90.8g |
タンパク質 | 3.6g |
脂質 | 2.8g |
炭水化物 | 2.3g |
灰分 | 0.5g |
食塩相当量 | 0g |
※表示される値は可食部100g当たりに含まれる成分を表します。
参照:文部科学省「食品成分データベース」
調整豆乳
砂糖を入れ飲みやすく調製されたもので無調整豆乳に比べて甘さがあります。
大豆固形分が6%以上(大豆たんぱく質2.8%以上)であることを規格としています。
▶おもな栄養成分
エネルギー | 61kcal |
水分 | 87.9g |
タンパク質 | 3.2g |
脂質 | 3.6g |
炭水化物 | 4.8g |
灰分 | 0.5g |
食塩相当量 | 0.1g |
豆乳飲料
大豆の成分が少なく、豆乳特有の豆臭さが苦手な人向けです。
大豆固形分が4%以上(果実の搾汁の原材料に占める重量の割合が5%以上10%未満のものにあつては2%以上)のものであることを規格としています。
▶おもな栄養成分
エネルギー | 57kcal |
水分 | 87.4g |
タンパク質 | 2.2g |
脂質 | 2.2g |
炭水化物 | 7.8g |
灰分 | 0.4g |
食塩相当量 | 0.1g |
豆乳の効果とは
大豆たんぱく質にはコレステロール低下をさせる働きがあります。
食事で摂取したコレステロールが体内に吸収される際に豆乳を飲用すると、大豆たんぱく質がコレステロールを吸着して体外へ排出する働きをサポートします。その結果、コレステロール上昇を予防できることになります。
豆乳(豆漿、豆乳)の効果は多岐にわたりますが以下に主な効果を挙げます。
1.栄養補給
豆乳はたんぱく質、ビタミンB群、ビタミンE、マグネシウム、カリウム、鉄分などの豊富な栄養素を含んでいます。
2.心血管の健康
豆乳に含まれるイソフラボンは、抗酸化作用を持ち、コレステロール値を下げる効果があります。これにより、心臓病や動脈硬化のリスクを低減する可能性があります。
3.骨の健康
豆乳にはカルシウムが含まれているため、骨密度の維持に寄与し、骨粗鬆症の予防に役立ちます。
4.ホルモンバランスの調整
イソフラボンは植物性エストロゲンとして作用し、女性のホルモンバランスを整える効果があります。更年期障害の症状緩和にも役立ちます。
5.体重管理
低カロリーでありながら栄養価が高いため、ダイエット中の栄養補給に適しています。また、食物繊維が豊富で満腹感を持続させる効果もあります。
6.美肌効果
ビタミンEやイソフラボンの抗酸化作用により、肌の老化を防ぎ、健康な肌を保つ効果があります。
7.消化吸収の促進
豆乳に含まれるオリゴ糖は腸内環境を整え、便秘の予防に役立ちます。
8.アレルギー対策
牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人にとって、豆乳は牛乳の代替として利用できます。
これらの効果により、豆乳は健康維持や病気予防、美容に寄与する飲み物として広く認識されています。
豆乳を摂取する注意点
豆乳は健康に良いとされていますが、摂取する際にはいくつかの注意点があります。以下に主要なポイントを挙げます。
1.過剰摂取を避ける
豆乳に含まれるイソフラボンは、過剰に摂取するとホルモンバランスを乱す可能性があります。一般的には、豆乳を1日200ml〜400ml程度に留めることが推奨されます。
2.アレルギーに注意
大豆アレルギーを持つ人は豆乳を摂取しないようにしてください。アレルギー反応は、かゆみ、腫れ、呼吸困難などの症状を引き起こす可能性があります。
3.添加物の確認
市販の豆乳には砂糖や香料、保存料が添加されていることがあります。無添加や無糖の製品を選ぶことで、余分なカロリーや化学物質の摂取を避けることができます。
4.消化不良に注意
一部の人々は大豆製品を消化するのが難しく、腹痛や下痢などの消化不良を引き起こすことがあります。最初は少量から始めて、体の反応を確認することが重要です。
5.甲状腺への影響
大豆に含まれるゴイトロゲンという成分は、甲状腺機能に影響を与える可能性があります。特に甲状腺機能低下症の人は、医師に相談することが推奨されます。
6.カルシウムの吸収阻害
大豆に含まれるフィチン酸はカルシウムの吸収を阻害することがあります。カルシウムが豊富な食品(例:小魚、乳製品)と一緒に摂取することで、この影響を軽減することができます。
7.他の栄養素とのバランス
豆乳は栄養価が高いですが、他の食品からもバランス良く栄養を摂取することが重要です。偏った食生活にならないよう、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
これらの点に注意しながら、適量を摂取することで、豆乳の健康効果を最大限に享受することができます。